てくてく、と。株式会社テクト  代表取締役  中谷茂樹のブログ

国母選手騒動について

一人の若者の行動が、様々な波紋を広げている。

オリンピック スノーボード・ハーフパイプ男子代表の国母選手だ。




ことの問題は、大きく2つ。

1つは、服装の乱れの問題。

そしてもう1つは、記者会見での受け答えの問題。

これに対し、Web上では賛否両論が繰り広げられている。




彼の行動については、賛否色々と語られているので、

敢えて、別の角度からこの騒動を見てみたい。




私としては、国母選手本人に問題はもちろんあるのだけれど、

その前にもっと組織側の問題があるのでは?と思う。

つまり、JOC(日本オリンピック委員会)やSAJ(全日本スキー連盟)、

そしてコーチ陣など、彼を取り囲む「大人」達の対応である。

(まぁ、本人も結婚しているようだし、大人なのだろうけれど。。。)




まず、彼が成田空港(もっと前?)に集合した時点で、

その服装の乱れは、既にあったはずである。

その時点で、周りの大人達は、どうしていたのか?

(注意したのか、しなかったのかは知らないが)

結果的に、黙認していたわけだ。




そして、それをTVを見た視聴者からのクレームが

相次いだところで、ようやく事態の深刻さに気付き、

例の記者会見となったわけだろう。




そもそも、JOCやSAJ、そしてコーチ陣は、

彼に制服を手渡した時点で、

こうなることは予測できなかったのだろうか?

ましてやドレッドヘアを許している時点で、

着崩すことぐらい、想定の範囲内

では、なかったのだろうか。




それを、彼個人の責任にするのは、

管理者、責任者としていかがなものか?と思ってしまう。




この話、別に彼の肩を持つという話ではない。

個人的には、あのような着方に馴染めない世代だし、

スーツは、ビシっと着た方が断然格好良いと思っている。




が、ここで私が問題と感じているのは、

彼を取り囲む周りの大人達の、責任放棄というか、

組織統制能力の無さ、危機管理能力の無さ、

そして、指導力の無さ、である。




そもそも、制服を着崩してはダメだ、きちんと着なさい、

というルールなり指導はあったのだろうか?

あったのなら、成田で見つけた瞬間に叱り飛ばすべきだし、

無かったのなら、自分の価値観に照らして指導するべきである。

あんな姿が、今の日本でTVで流れたら、

こんな騒ぎとなることぐらい、誰でもわかるだろう。

曲がりなりにも、国を代表する選手なのだ。

遊びに行くのではない。

税金で制服を与えてもらい、国民の期待を背負って行くのだ。




それを、放置(=黙認)しておいて、

クレームが来てから、彼個人の責任にする、というのは、

少し、ムシが良過ぎやしないだろうか?と思うのだ。




早い話が、

ダメなら、最初から徹底的に指導するべき

許すなら、最後まで徹底的に彼を守るべき

と、思うのである。




ダメなものは、ダメ。

許すなら、許す。誰に何と言われようと許す。

指導者、管理者として、そして組織として、

どちらかのスタンスをしっかりと持っていなかった

JOC側、SAJ側(どちらか不明)の問題ではないだろうか。

もちろん、世間の常識を持ち合わせていなかった、

彼本人の問題でもあるが、それはたまたま彼であっただけで、

第二の国母選手は必ず現れると思うからだ。

(相撲界の元横綱の騒動とも似たような話だ。)




それから、もう一つ。

ルールについて。

国母選手は、あの場で謝罪はしたものの、

未だに何故「腰ばき」がダメなのか?

ということが理解できていないことだろう。




だが、ルールというのは、

明確な基準や、合理的な理由がある場合ばかりではない。

そして、皆が受け入れられることばかりでもない。

例えば、読売ジャイアンツは髭が禁止らしいし、

海外でもニューヨーク・ヤンキースは、髭は禁止らしい。

そこに合理的な理由は、おそらく大して無いだだろう。

世界から超一流選手が集まるヤンキースにおいて、

ヒゲの有無がプレーに影響するか?と言えば疑問だ。

ただ、絶対的なルールなのだから、皆従う。それだけだ。




一番マズいのは、ルールが無い、ということだろう。

その時々の曖昧な感覚だけで、縛ろうとすると、

多分に主観的になるし、感情的になりがちだ。

場合によっては信頼関係にヒビが入るし、ややこしい話になる。




今回のオリンピック選手団で言えば、

これだけ価値観の異なる世界、世代の人が集まり、

且つその世界では国内の頂点を極めた人の集まりなのだから、

何らかの明文化したルールがあるべきだったのだろう。

子供じゃあるまいし、とは思うけれど、

残念ながら、起こってしまったのだ。

一度起こったことは、また必ず起こる。

夏の五輪で、柔道の石井選手の奔放な発言を

幹部が止めたのは、記憶に新しいところ。

世間の一般視聴者や、幹部達の考える常識と、

若い選手の考えるところは、もうかなり根本的に、

深刻なレベルでズレているのだ。

(もしルールがあったのであれば、破った本人が悪いが、

見つけた時点で対処しなかった幹部も悪い。)




ルールというのは、たとえ納得できなくても、

その組織にいるうちは、従うべきものなのである。

これは会社でも同じことで、

「ルールはルール」ということだ。




何にしても、国母選手は今回の騒動により、

かなりの注目を集めてしまった。

嫌でも、ハーフパイプには注目が集まるだろう。

聞けば、かなり世界的にも上位ランクの選手とのこと。

ここは一つ、気持ちを切り替えて、

良いパフォーマンスが出来ることを期待したい。









今回の件を、ネットで色々と調べたら、

米Yahooでも、画像付きで取り上げられ、

結構話題になっているようだ。

14日23時時点で、3,600件以上のコメントが付いている。

Unsuitable — Japanese snowboarder busted for bad fashion

コメント読むと、さすがの米国人でも賛否両論あるようだ。

「個人主義の国」「自由の国」なイメージのアメリカでも、

日本の報道に同調する声も結構あって、これには驚いた。









トリノ五輪で金メダルで、今回も優勝候補

ハーフパイプ・アメリカのショーン・ホワイト選手。(一番左端)

着崩しどころではないハーフパイプ第一人者のショーン・ホワイト

・・・着崩し、というレベルではない。

着崩しどころではないハーフパイプ第一人者のショーン・ホワイト

でも、この爽やかさだ。

国母選手にも、この爽やかさがあれば、許されていたのか?

それとも、中途半端な着崩しがマズかったのか?

まぁ、いずれにしても国母選手は、

あのキャラで損をしてしまっているような気が、しないでもない。
Posted at 2010年02月14日 23時50分00秒 [その他]

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